投資は危ない、ギャンブルだと思う人が皆さんの周りにはいませんか?この記事では、日本人の投資に対する姿勢や、考えについての考察をわかりやすくまとめています。
◆目次
1.投資は運任せなのか
2.「投資」と「投機」は違う
3.日本人の投資実態
4.なぜ日本人は投資を悪と思うのか
5.まとめ
1.投資は運任せなのか
「投資」と聞いてなにを思い浮かべるか、資産形成、将来への備え、そんなポジティブな意見もあると思います。しかし、いまだに多くの人が、危ない、ギャンブルだ、というようなネガティブ考えをもっています。
そもそも「ギャンブル」とは、辞書で調べると、
偶然の要素により勝敗が決まり、金銭などを賭ける行為
つまり、結果が運に左右されることが本質で、パチンコ、競馬、カジノなどのように勝つか負けるかは運次第。もちろん、多少の技術や知識が影響することもありますが、基本的には運次第ということ。
多くの人が投資をこのように運次第の危険な賭け、「投機」であると考えているという事になります。

まぐろの周りにもこのような考えの人がたくさんいて、余剰資金はひたすら貯金したり保険積立てなどしていて、勿体ないなと思いつつ、投資を進めるというのは何となくタブーな雰囲気があり、何も言えないですね。
2.「投資」と「投機」は違う
「投資」と「投機」。どちらもお金を使って利益を得ようとする行為ですが、その本質はまったく異なります。混同されがちですが、目的・時間軸・リスクの捉え方に明確な違いがあります。
まず「投資」とは、企業や資産の価値に対してお金を出し、その成長や収益を長期的に享受することです。たとえば、トヨタの株を買うのは「この会社は今後も利益を出すだろう」と信じて、その未来に参加すること。企業が利益を出せば株価は上がり、配当ももらえる。つまり、投資は「価値への参加」であり、時間を味方につける行動です。
一方、「投機」は短期的な値動きを狙って利益を得ようとする行為。FXや仮想通貨のデイトレードなどが代表例です。価格が上がるか下がるかを予測し、タイミングよく売買することで差益を得る。これは「値動きへの賭け」であり、運や勘、スピードが重視されます。
投資は「企業や経済の成長に伴う利益」を狙うのに対し、投機は「市場の揺らぎから瞬間的な利益」を狙う。つまり、「投資」は長期的・安定的、「投機」は短期的・不確実ということになります。

投資というものを理解できていないと、投資=投機と考えてしまうので、投資をギャンブルだと思ってしまうんですね。
3.日本人の投資実態
ここで、日本人の投資実態を見てみる。
※すべて出典は、日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」
まずは、「日本人の有価証券(株式・投資信託)の保有実態」を見てみると、有価証券への投資している人は、近年増加しているものの、2024年時点でも4人に1人というのが実態。海外のデータをみてみると、アメリカ人は60%程度、イギリスやドイツ等のヨーロッパでは3~40%程度なので、投資をしている日本人は世界的に見ても少ないことがわかります。
投資対象 | 2018年 | 2021年 | 2024年 |
---|---|---|---|
有価証券 | 18.0% | 19.6% | 24.1% |
株式 | 12.2% | 13.3% | 14.1% |
投資信託 | 8.8% | 10.1% | 12.6% |
次に、「証券投資が必要だと思う人の割合」を見てみる。全体では約40%の人が証券投資が必要であると思っており、その割合は近年増加している。投資の教育を受けた人でいうと約70%が証券投資が必要と回答しているので、きちんとした情報を得ることができれば、投資は悪だと誤認する人はかなり減ることがわかります。ただ、投資教育を受けたことがあると答えた人は、2024年でも8%程度にとどまっているので、投資教育はまだまだ日本では浸透しているとは言えないです。
回答者 | 2021年 | 2024年 |
---|---|---|
回答者全体 | 30.9% | 42.6% |
投資教育を受けた人 | 54.9% | 69.9% |

まぐろは確定拠出年金の関係で、会社で教育を受けました。当然すでに知っている内容ではありましたが、初めて教育を受けた人は確かに投資に良い方向で興味を持っていた印象があります。
4.なぜ日本人は投資を悪と思うのか
ではなぜ、日本人は投資を悪と考えてしまうのか、考えてみたいと思います。
①金融教育の不足
先ほどの章でも少しふれましたが、日本では義務教育で「投資」について学ぶ機会がほとんどありません。高校の「政治経済」でようやく株や債券の概念に触れる程度で、実践的な知識は乏しいのが実態です。結果として投資はよくわからないもの、専門家だけがやるものという印象が根強くなってしまっています。
②過去のバブル崩壊や投資詐欺の情報
1990年代のバブル崩壊で多くの人が資産を失い、株は危険というイメージが定着してしまっています。また、投資詐欺や怪しい金融商品がニュースで報道されるたびに、投資は騙される・損するという印象が強くなります。このことから、特に投資未経験者ほどリスクが怖い、資金に余裕がある人だけがやるもの考えるようになっていると思います。
③労働市場主義の文化
日本では汗水たらして働くことが美徳されることが多く、楽して儲けることは悪という価値観が根強い。投資による収益は不労所得と見なされ、どこか後ろめたい印象を持たれがちとなり、まじめに働いて稼ぐのが一番という考えが、日本人を投資から遠ざけてしまっている。
④メディアの影響
株価暴落や投資失敗のニュースはセンセーショナルに報道されやすい。一方で、地道な積立投資や長期運用の成功事例はあまり取り上げられない。その結果、投資は危ない、損する可能性が高いという印象が強まっている。

確かに投資に関しては、ネガティブなニュースは多いですよね。逆に投資でこれだけ儲けましたというニュースがあると嫉妬しか生まれない雰囲気がありますね。
5.まとめ
日本人がなぜ投資を悪と考えてしまうのかを、日本人の投資実態なども参考に考察してみました。教育不足やネガティブなニュースなどから、投資は危ないものという印象が根強いことがよくわかります。
一方で、新NISA導入など「資産運用立国」政策の推進で投資への関心が高まり、若年層を中心にして投資へ前向きな姿勢も増えているのも事実です。
投資への関心が高まり、株式市場へ資金が流入していけば、買い注文が増え、需要が高まることで、株価は上昇していく方向になるので、是非とも多くの人が正しい知識を得た上で投資へ参加してもらいたいと思います。そのような環境の中で、出遅れて損をしないように、資産形成に興味はあるけど、難しそうで始められないという方は、これを機に投資への第一歩を歩んでみたらいかがでしょうか。
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